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陸上部マイルリレー関東大会出場へ

2011.10.10

陸上部マイルリレー

大人気、顧問尾花先生の陸上部レポート

今回はマイルリレ−の舞台裏を送っていただきました。
スタート前のドキドキする緊張感が…見事に伝わってきます。感動です!
お楽しみください。

<尾花レポート>
この夏、陸上競技部はインターハイにおいて2つの忘れ物をしてきました。
一つは男子400m伊藤健太のあと一歩での“入賞”です。
これについては2週間後の名古屋で行われる日本ユースできっちりと手にしてきます。
そしてもう一つの大事な忘れ物は4×400Rです。
平成2年以来の全国出場を果たしたものの、肝心の全国大会で選手の負傷により不本意な成績に終わりました。
その屈辱の猛暑の8月から秋風涼しい10月へと時は移り、マイルリレーのチームも3年生が抜け、新チームへと移行しました。
日本ユースや日本ジュニアでは4×400Rが実施されませんので、もう一度、全国の頂点を競う、あの輝く場所で勝負するには、来年の夏の新潟インターハイまで待たなければなりません。その新潟への一歩がこの県新人です。ここで何としても3位に入り、関東新人へ出場を果たし、関東の競合と鎬を削ることで、来年につながるのです。
しかし、今回もまたまた苦戦を強いられました。南部地区の予選会で今まで1走をつとめてきた陰山東洋(2年)がレース中の怪我で、この県新人も間に合うかどうかの状態、さらに夏のインターハイ直前にやはり故障した松井信行(1年)もそれ以来の出場でまだ体力的にも良い頃に戻っていない状態でした。
そんな中で迎えた県新人でしたが陰山と松井は準決勝から投入する予定でした。
予選は南部地区でも2人の代わりをつとめてくれた山口雄大(2年)と土屋徹朗(2年)が無難に走ってくれて問題なく組1着で予選を通過し、翌日の準決勝・決勝へと駒をすすめました。準決勝ではタイム的にもやはり陰山・松井を投入しないと危ない展開でしたので、心配な所はありましたが彼らを起用し臨みました。
1走はこの秋から3年生の抜けたあとに入った齋藤慶太(1年)そして2走に陰山・3走に松井・アンカーには伊藤という布陣です。

写真は1走の齋藤慶太



齋藤がまずまずの位置で持ってきました。そして心配であった陰山・松井もまだまだ全開ではありませんでしたが無理をせず、確実にバトンをつなぎました。彼らは、春の関東を目指した県大会での大ピンチやインターハイ出場のかかった本当の“勝負”となった関東大会の修羅場をくぐってきています。それが本調子でなくても、県の準決勝でも慌てず冷静な走りにつながりました。アンカーの伊藤も自分の仕事を堅くこなし1着でフィニッシュ。

いよいよファイナルです。
しかし、この日の伊藤健太はこのリレーの準決勝、そして決勝と400m2本の他に個人の200mも予選・準決勝・決勝と合計5本のレースをこなせばならないハードスケジュールでした。

そして200mも見事にラウンドを重ねていって決勝で3位入賞を果たし関東出場を決定しました。あとはこの4×400Rの決勝を残すのみとなりました。

ウォーミングアップを終えて招集所に集まり、レーシングスーツに着替え、鉢巻きを締める時、選手の気持ちも一気に高まってきます。この瞬間が何とも言えません。



左から伊藤健太・陰山東洋・松井信行・齋藤慶太





出場校のレーンとオーダーが紹介されて、いよいよ最終種目男子4×400Rの決勝のスタートです。

まず1走の齋藤ですが後半に失速して大きく遅れるのを恐れ前半は遅めに入りましたが、初の県大会決勝、しかも1走ということでかなり緊張もあったようで、後半も伸びずに5〜6番手で2走の陰山へ。絶好調の頃の陰山ならここで一気に先頭争いまで持ってこれるのですが、
とにかく脚に最小限の負担で走ること、そしてポジション維持なら十分だと伝えました。その通りに走り5番手のままバトンは3走の松井へ。ここで目の前を走っていた学校がバトンを落としたので4番手にあがるものの松井もやはり良い頃から比べると80%くらいの出来で前を行く3校とは10m以上離れる苦しい展開。しかも、ゴール前では追い上げるどころか
後ろの2校にも詰められ、上位3校に入るのはかなり厳しい展開。
ここで思い出したのが春の県大会のことでした。
この時もアンカーの伊藤に渡った時点で関東への切符は非常に厳しい位置でしたが何とか最後の最後でかわしてくれて関東出場をもぎ取りましたが、今回はそれよりもさらに厳しいポジションからのスタートでした。見ているほとんどの人がさすがに今回はダメだと感じていたと思います。しかし、最後の最後まで絶対に諦めない、そんな魂のこもった走りを伊藤が見せました。
バックストレートに入り、みるみるうちに前の3校を捕まえにいきます。ややオーバーペースのようにもみえましたが、気持ちが充実し、肉体的にもピークの状態は、そんな不安を打ち消すかのように、どんどん前を追いつめます。
しかし、残りはあと100mしかありません。
まだ、6〜7mの差は縮まりません。
もはやここまでかと思われましたが、ここから最後の一伸びは目を見張るものがありました。
ゴール前5mの時点で測ったかのように3番手の学校を捕らえて3位でゴールしました。
春に続いてまたまたアンカーの伊藤がチームの大ピンチを救ってくれました。しかもこの日5本目の疲労も限界の中でです。
本当に肉体的にも精神的にも強くなってきました。しかし、チームとしては4人のコンディションが本当に絶好調であればもっと楽にレースが進められただけに、この3位は悔しい気持ちもいっぱいです。
関東新人出場権はうれしいですが、来年、新潟で“結果”を出すにはここで満足などしてられません。もう一度、コンディションを万全にして、最高の調整を施して、関東新人で今シーズンの良い締めくくりをしたいと思います。
マイルチームのこの秋のテーマは

"Retrying”

もう一度関東で好走し、そしてこの夏、置き忘れてきた“忘れ物”を獲りにいきたいと思います。

なお、このマイルを含め今回の県新人の決勝種目の動画を武南校陸上競技部のHPにアップしましたのでよろしければご覧下さい。

陸上部動画

http://www.bunanspeed.com/events/2011/20110930_mov.htm

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