羽ばたけ、世界へ!  武南中学校

学校法人武南学園 武南中学校

校長だより

学校長の講話を紹介します。

学期ごとの始業式、終業式や毎月の朝礼にて、学校長より講話があります。

生徒、スタッフは講話を聞くときには必ずメモを取って聞くことを徹底しています。

学校長 田部井 功

平成27年度 3学期始業式 武南の留学生とラグビー日本代表外国人選手

平成28年1月7日 

中3生は高校進級テストに向けて準備をしています。
3学期は学年の終わりです。しっかりと学年を締めくくれるようにしましょう。
今日はスウェーデン人留学生のマリア・サーベルマキさんとニュージーランド人のリーチ・マイケルさんについて話をします。
マリア・サーベルマキさんは平成26年7月に来日し、平成27年7月まで1年間武南に在籍しました。
スウェーデンから単身来日し、とても努力しました。英語は来日した時点でとてもよくできていました。日本の国語と社会が難しかったようですが、努力していました。
数学と理科は選抜クラスでもトップの成績を修めていました。
日本滞在中に新聞が読めて内容を要約できるまでになりました。日本の新聞を海外の高校生が1年で読めるようになるのはとても立派なことです。きちんと目標を持って来日してきたのだというのがよく伝わります。
17歳での単身留学は寂しい気持ちもあったでしょうが、しっかり勉強をして帰国していきました。
リーチ・マイケルさんはラグビー日本代表のキャプテンです。15歳で来日し、札幌山の手高校へ進学、東海大学を経て、社会人ラグビーに参戦しました。
東海大ではラグビー日本代表ヘッドコーチのエディ・ジョーンズさんに出会っています。
すでにニュージーランドと同じくらい長く日本に滞在しています。日本国籍取得後、ラグビー日本代表として昨年の大金星に貢献しました。
ラグビー日本代表チームには複数の国籍の選手が存在します。リーチ・マイケルさんはバラバラなチームをまとめる責任は外国人選手かつキャプテンである自分にあると考えていました。
彼がまず始めたことは、日本国歌の意味を理解し、歌うことでした。
武南中学校の生徒のみなさんは世界で働いたり、日本の中でも世界を相手に仕事をすることになるでしょう。そのときにマリアさんやリーチ・マイケルさんの姿勢を参考にしましょう。

平成27年度 2学期終業式 ラグビー日本代表エディ・ジョーンズ ヘッドコーチ

平成27年12月24日

来年は中3生は卒業が迫っています。
中2生は中心学年になります。
中1生は生活に慣れてきて、中学生らしくなりました。
武南中学生みんなの活躍を様々なところで見ることができました。
ラグビー五郎丸選手は対南アフリカ戦で世界で有名になりました。
しかし、日本の勝利の背景には選手の力だけでなく、エディ・ジョーンズヘッドコーチがいました。彼はオーストラリア人の父と日系2世の母の間に生まれました。母国オーストラリア、南アフリカ、東海大やサントリーでコーチとして開花しました。
日本のためにプレーする外国人が多くいる中で、国籍関係なく強い組織作りに成功しました。
私はラクビーが好きで、よく見ていたが24年間負けっぱなしで全敗だった。今回期待していた中での大金星に心が躍りました。みんなの中にもそんな人がいたのではないでしょうか。
「エディ・ジョーンズは心地いいハッピーなチームでは強い組織は作れない。」と言っています。
武南高校サッカー部が先日埼玉プリンスリーグで優勝しました。レギュラーの選手たちは「辛いことばかりでハッピーではなかった。しかし試合で勝つことによってハッピーになれた。」辛い時期を乗り越えての優勝はラグビー日本代表はと重なるものがあります。
大金星をあげた日本はエディ・ジョーンズヘッドコーチのもとで辛い練習をやり抜きました。
ラグビー日本代表は、国籍を超えて、辛い練習を乗り越えることのできる強いチームになりました。
ジョーンズ監督の掲げる「強いチームの3つの基本」をみんなに伝えたいと思います。

  1. 準備を確実にすること
  2. 辛い練習をやり抜くことで自信を持つ
  3. 計画を立てて事に臨む

ジョーンズ監督は「五郎丸選手は精神的に強い。彼が強いのは準備をするからだ。プレッシャーのかかるゴールキックのため、細心の注意を払いつつ準備をしている。
スポーツもビジネスも同じで、準備をすればうまくいく。」とも話しています。
中3は高校進級テストに向けて準備をしましょう。
武南中学生の大きな目標は大学進学です。いつも話しているように日々の積み重ねが必ず結果に繋がります。今から将来の目標に向けて準備をしましょう。
また今日のエディ・ジョーンズとラグビー日本代表の話を保護者の方や兄弟に伝えてください。人は人から学んだことを伝えて初めて理解が深まり、定着します。

10月の朝礼 習慣は意識して創れ

本日は、習慣は意識して創れというタイトルでお話ししたいと思います。

アメリカの実業家である、アンドリュー・カーネギーという人を知っていますか。
「自分より優れたものを自分の周囲に集める術を心得たものがここに眠る」と墓碑に刻まれています。
彼は12歳の時、イギリスのスコットランドからアメリカに移住し、貧しい中でモールス信号を学び、職を得ます。

 

安い賃金で重労働をする中、彼はこれからは鉄鋼業の時代が来ることを確信し、鉄鋼の技術を独学で学び、カーネギー鉄鋼会社を立ち上げます。
会社は成功し、一大資産を築きます。しかし彼はそのお金や最終的に会社を売却して得た大金を、苦学する学生の奨学金や科学の研究などの社会貢献に使いました。
莫大な資金を社会事業に惜しみなく使いました。

そんな彼の残した言葉には、次のようなものがあります。

「裕福なままで死ぬことは、不名誉のままで死ぬことになる」

「失敗にしても、成功にしても、人間が何かを実現できるかどうかは、当人の習慣によって決まる」

良い習慣というものは、あるがままの自分ではなかなか作ることはできません。自分で良くしていこうという考えを持たなければなりません。

また、『考えが変われば、行動が変わる。行動が変われば、習慣が変わる。』という松井秀樹さんが高校時代の監督からかけられた言葉もあります。
まさに、意識して習慣を作ることの重要性を語っていると思います。2学期も1ヶ月が過ぎ、文化祭や体育祭が終了しました。ここからは勉強に切り替える時期です。

6月の朝礼 JAXAものづくりの基本原則

平成27年6月4日 6月の朝礼

みなさんには今まで、若田光一さんや油井亀美也さんなど宇宙飛行士や宇宙について話をしてきました。

油井さんは7月に国際宇宙ステーション「きぼう」へ打ち上げられ、研究のため長期滞在されます。

「きぼう」を作ったJAXAの方の話を聞く機会があり、そこでのお話をみなさんにもぜひ伝えたいと思います。

国際宇宙ステーション「きぼう」が作られる際には、多くの人の協力がありました。

JAXAのものづくりの基本原則は

①(人間はしばしば間違えるものであるから)やり直しができる。

②(様々な実験をするので)応用可能である。

③(機械や施設は故障するもので宇宙飛行士が)自分たちの力で直せる、修理ができる。

この原則は武南中学校の方針にも盛り込まれており、みなさんが生活に生かせるものだと思います。

「①やり直しができる」は考査の再指導、再考査、再々考査にしっかり取り組めているかどうか。

考査で力を発揮できなかった生徒にもう一度機会を与えるという意味の再考査、再々考査に努力をしたうえで、

もう一度頑張れていますか。

できていないとするならば改めよう。

「②応用可能である」「③自分たちで修理できる」は勉強や人間関係について自分で本質をしっかり理解した上

で修理することを心掛けているか。トラブルを起こしてしまったら相談して、解決しよう。

この3つの考え方を今の時点できちんと使えていますか。

今日の話をきちんと整理して、今後に生かしてください。

平成27年度 1学期始業式 クラーク博士について

平成27年4月8日

ウィリアム・S・クラーク博士を知っていますか。

彼は理科の先生でした。 アマースト大学で教えていた時期、同大学初の日本人留学生、新島襄(同志社大学の創始者)がいました。

新島の熱心な働きかけにより、マサチューセッツ農科大学教授であったクラーク博士が1年間の休暇を利用して1876年に来日し、7月に札幌農学校教頭として赴任します。8ヶ月の札幌滞在の後、翌年の1877年5月に離日しました。

1年間という短期間でありましたが、クラーク先生と生徒の関係は、濃密であり教育の営みはとても高度なものがありました。生徒たちの中には、明治期の近代国家を担う人材として教育界、官僚、実業家と多岐にわたり活躍した。日本のキリスト教思想家、内村鑑三も生徒の一人です。

クラーク博士の有名な言葉 "Boys, be ambitious!"

彼は「少年よ、この老人(=私)のように大志を抱け、大志は金銭や我欲であってはならない。自分自身の内面を磨き、志を立てて多くのことに挑戦せよ」

と生徒たちに語りかけました。

自分自身を磨くために学問を修めましょう。学ぶことを通して人は鍛えられていくのです。

平成26年度 3学期終業式 希望を持つことの意味

平成27年3月23日

希望(Hope)は漢字で書くと「稀にしか叶わない望み」です。希望を持ち、叶えるためには努力が必要です。

それは息の長い努力であり、そのための継続する意志が何より大切なのです。

皆さんの中で、失望や挫折を避けたいと思うなら希望を持たない選択肢もあります。けれども、希望のない毎日を考えてみるとよいでしょう。

なんと味わいのない毎日でしょうか。

 

メモを取る生徒たち メモを取る生徒たち

希望のかなえる過程を考えることにしましょう。

*手の届きそうなこと

*容易に手が届かないこと

この2つの事柄を念頭に置き、行動していくことが大切です。身近に手の届きそうな希望があれば、努力は続きます。

だけれども、容易に手が届かない希望も必要です。それは、高い志に連なっていくものだからです。

人は、心の中に手の届きそうな希望、容易に手が届かない希望、この二つの希望のバランス感覚をよく保つことが大切です。